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推拿とは

中医学推拿の歴史
推拿は古代には「按摩」(霊枢・九鍼論)、「按喬」(素問・異法方宜論)、「喬摩」(霊枢・病伝)などと呼ばれていました。
推拿という名称が最初に用いられたのは、明代(1571年)の「小児推拿秘旨」が最初です。
推拿の源流は按摩ですが、明の時代に推拿と按摩に分かれた事は大きな出来事です。
後に推拿は医学療法としての発展をとげ現在の形になりました。
現在、中国ではいわゆるマッサージ系が「按摩」となり、医療系が「推拿」となっています。 
マッサージ系「按摩」と、医療系「推拿」の違いとして中国が定めている大きな違いは「気持ちが良いまでとするものを按摩とし、疾患を治療する事を主眼とするものを推拿」として分けています。

推拿療法の効果
推拿療法の一つとして大脳皮質の機能調節と血管を拡張させ血圧を降下させることが出来ます。
滾法・拿法・圧法・按法・擦法・抹法などの手技で血管へアプローチをすると血管壁の内側が刺激され血管を柔らかくする物質・NO(一酸化窒素)が現れ、これによりCa依存性NO代謝を亢進させ、適度な弛緩状態を誘起する事によって組織の加齢性機能低下をかなり減速することが出来、活性酸素とNO代謝の観点からも動脈弛緩性循環改善作用によって血圧が下がるのだと考えられています。
また、血流を良くすることによって酸素と栄養をより多く循環させ、細胞の損傷と回復を促し、体内に蓄積した老廃物を排出することが出来ると考えています。

そして古来よりこのような効果を中医学では「活血」と言って来ました。
このように推拿療法は太古より伝わる手技療法ですが現代の目線から見ても非常に効果が期待できるものです。

推拿の専門的なお話 
推拿療法は手を使って皮膚から刺激を通じて、陰陽の調節、経絡疎通、抑鬱開達、気血宣通、活血散瘀、消腫止痛、関節通利、筋骨強壮等、局所および全身の生体機能を調整し病原因素を除去する事を治療の目的としています。
すべての手技療法は、按摩マッサージのようにソフトに軟部組織に手技を用いるものと、カイロプラクティックのように骨関節部に手技を用いるものに大別されますが、推拿療法はその両面を兼ね備えており、多くの手技療法の長所も合わせ持っていて、数千年の間に先人達の臨床経験と実績を積み上げる事によって現在に至っています。

推拿の強刺激は神経や筋肉を興奮させ、軽く緩やかな手技は神経や筋肉を抑制する効果が実験的に証明されていて、推拿療法は群を抜いて適応範囲が広く、多くの疾患をカバーしているため、中国各地の病院の推拿科は外来患者だけでなく、多くの入院患者も受け入れており、整形外科領域の疾患だけでなく、内科系、婦人科系、小児科系などの疾患にも応用されています。

実はツボと解剖学はとても密接な関係があります。
五十肩(肩関節周囲炎) 肩の痛みでも取り上げていますが、ツボの下には神経や血管など重要な部位があります。
数千年前から特定の部位(ツボ)を刺激するとその下にある神経や血管が刺激されてその先にある痛みの部位に効果がある事が分かってきて、当時の人達が当時の考え方や覚え易い名前を付けたのが現在に伝わるツボです。
西洋医学よりはるか昔から人体について研究をしていた証拠ですし、現代医学でツボを詳しく調べてみるとツボの下に神経や血管の分枝があったという事です。

推拿はツボを刺激していますが、現代医学で言う神経や、血管などトリガーポイントに作用をかけている事になり、簡単に言うと西洋医学の名前なのか中医学の名前なのか、表現の違いと思って頂ければいいと思います。
手技手法が違うだけで人体の捉え方は変わらないです。そして単にツボを取るのではなく、中国医学基礎理論を基に取穴するので非常に効果は高いです。
また、WHO(世界保健機構)が推拿を含む中国医学を認めているのは科学的根拠を基に考えられているからです。
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