便秘

便秘は一般的に排便が週に3回以下と少ない状態を指します。

排便時痛・便に血液が付くなどの症状を伴う場合もあり、生活習慣・病気・薬剤の副作用などの様々なことが原因となりえます。排便回数の減少以外に腹痛・吐き気・胃もたれ・食欲の低下などの多くの症状が起こります。
主に便秘の原因は、人によって異なりますが、大きくは以下の3つに分類されます。

便が直腸に達しても排便反射が起こらず、直腸に便が停滞してうまく排便できなくなるタイプ。
腸管の緊張がゆるんでしまい、ぜん動運動が十分行われないため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプ。
副交感神経の過度の興奮によって腸管が緊張しすぎてしまい、便がうまく運ばれずに、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるタイプ。

中医学的便秘は多種にわたって原因がありますが、大きく分けて病気などが原因の器質性便秘と自律神経のバランスが崩れる機能性便秘があり、症状から分類して熱秘・気秘・気虚秘・血虚秘・冷秘に分けます。

熱秘証の主要症状
ウサギのフンのようなコロコロとした便、小便は濃い黄色又は赤味がある、顔色も赤く、身体は熱っぽく、腹脹腹痛、喉の渇き、口臭、舌診/赤、苔黄或いは黄燥、脈/滑数があります。この時の治法は「清熱潤腸」です。

気秘証の主要症状
便意があるが排出が困難、出てもウサギのフンのようなコロコロとした便、食欲減退、あくびが出る噯気、舌診/、脈/弦
この時の治法は「順気行滞」です。

気虚秘証の主要症状
便意があるが排出が困難、無理に出そうとすると汗が出て息切れする、便は硬くなく用便後は疲れる、顔色青白く、精神不振、倦怠無力、舌診/淡嫩、薄苔、脈/虚
この時の治法は「益気潤腸」です。

血虚秘証の主要症状
便秘、顔に艶がなく、目眩、心悸、唇に舌が淡い、脈/細渋
この時の治法は「養血潤燥」です。

冷秘証の主要症状
便が出にくく排便困難、小便清長、顔色青白く、四肢の冷え、寒がり、腹中冷痛、舌診/淡、白苔、脈/沈遅
この時の治法は「温陽通便です。」

このようにTCM(中国伝統医学:Traditional Chinese Medicine)では便秘の症状を弁証してタイプ分け(弁別)することによってツボを使い分けています。