中国で小児の斜視に小児推拿は非常に有名

小児に対して推拿をおこなう事を小児推拿と言い、推拿の中でも子供に対する斜視は中医学の特色のひとつです。


小児推拿:Xiǎo’ér tuīná(しょうにすいな)とは中医学推拿(tuina)の子供に対して行う徒手療法の事を言います。
小児推拿の歴史は古く、紀元前14世紀ごろ中国大陸 殷代の頃には甲骨文字に「撫摩腹」の記述があり、古くは「小児按摩」と呼ばれていましたが、1604年:襲雲林編「小児推拿秘旨(最初の小児推拿専門著書)」によって後世に広く伝わるようになりました。

現在、中国の病院に「推拿科」があり、その中で患児に対して小児推拿療法が行われています。

小児推拿の適応範囲は下痢、便秘、夜泣き、おねしょ、消化不良、食欲不振、栄養不良、咳、初期の風邪症状、新生児筋性斜頸、斜視、小児麻痺など幅広いです。特に斜視や脳性麻痺に効果が高いです。

写真は上海中葯大学付属 岳陽中西医結合医院 小児推拿科の診療風景で、この病院は中国国内の推拿研修センターとして有名で各省から中医師が研修に来ていますし、朝早くから沢山の子供を連れたお母さん達が病院に来られています。

斜視・斜頚について

小児の斜視に対しても小児推拿は非常に有効です。
日本では経過観察後、改善が見られない場合に手術となりますが、中国では小児推拿で斜視、斜頚を治療しています。特に斜視、斜頚が判明した直後から早期治療を開始します。

斜視は両眼の視線が正しく目標に向かわないものを言い、新生児の約2%に斜視が発生していると言われています。※2017年出生数94万1千人に対して約18000人が発症している事になります。
日本では斜視の治療は大別すると⽬を動かす外眼筋の付いている位置を「⼿術」で移動する方法とトレーニングやメガネを装⽤して「矯正」する方法があります。

中国でも日本と同じように手術もあるのですが、手術以外の方法として中医「小児推拿」があり、中国の病院内にある「推拿科」には毎日沢山の患児が小児推拿の治療を受けに来ています。
中国では子供の斜視の場合、治療効果が良く、逆に発症から時間経過が経つと目の筋肉の膠着や視神経が形成をしてしまう為、治療効果が低いとされています。
写真の子供は産後の診察で全盲と診断を受けていましたが、小児推拿を受け続けた結果、当時4歳のこの頃は物がぼやけならでも見えていました。
斜視は生まれた時から明らかに存在する場合と、成長してから目立ってくる場合とがあり、特にモノを両眼で⽴体的に見る視神経の形成は5~6歳ごろまでに完成するので、幼少期の斜視は早期の治療が⼤切になります。
中国の推拿科では保険診療も手助けして毎日のように推拿療法を受けています。

日本は視神経が形成されて斜視が残っている場合、手術となります。推拿専門として幼児の斜視に小児推拿は「新たな選択の一つ」として考えて頂きたいです。

追記
2014年に小児推拿をもっと知ってもらうようにと特定非営利活動法人 TCM小児推拿協会を設立しました。
URL:http://tcm-tuina.or.jp

子育て支援の一環として、お母さんをはじめ、小さなお子さんの居るご家族の方、医療従事者、指導が出来る人材を育てる取り組みを行っています。
簡単な症状や急な発熱などはママ(パパ)達がお子さんに小児推拿をしてあげて、ちょっと出来ない症状はNPO法人 TCM小児推拿協会会員の治療院で見て頂く様になればと思っています。
定期的に一般向け講座や会員向け勉強会を開催しています。